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「パネルでポン」ホームページ公開1周年記念特別企画
開発者インタビュー

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「落下中にそんな処理をすることは出来ない」といわれたらそれまでだし、 逆にプログラマーがそう組んでくれたことによって、アクティブに動かせることによる 「おもしろさ」を発見できたわけですよね。


   何かの動作をしている最中でもパネルを入れ替えられる「アクティブ連鎖」の要素 とか、対戦のおじゃまパネルとか、どの様にして思いつかれたんでしょうか。
山上 最初から、そういったシステムを練ったわけではないですね。最初のシステムは、 15パズルを立ててみた時にパッと一瞬でひらめいたんですよ。入れ替えて、 3つか4つそろったら消えるものを考えたんですよ。で、空間があいたらその空間に 上のパネルが落ちる。そこまでを一瞬で思いついて、その副産物ですね、落ちている 間にも、カーソルが動かせて入れ替えられるのは。
   実は、開発途中バージョンを遊んだ事があるんですけど、ただパネルが入れ替えられるだけで それほどおもしろくなかったんですよ(笑)。でも、製品バージョンを改めて遊んでみて、 「アクティブ」の要素は革命的だと思いました。この要素は「パネルでポン」のおもしろさの 秘密の最大要素ですね。
山上 僕としては、落ちている最中でも動かせるというのは、発想としてはあったけれども、 先のことまでは考えてませんでしたから、形にされたのは山本さんであり、本当に 動かせるようになるかは、山本さんの腕に掛かってましたよね。
   プログラマの技量というものはありますよね。
山上 そうですね。
   プログラマが、「動かせない」と言ったら、おしまいですからね。
山上 そう、「落下中にそんな処理をすることは出来ない」といわれたらそれまでだし、 逆にプログラマーがそう組んでくれたことによって、アクティブに動かせることによる 「おもしろさ」を発見できたわけですよね。
だから、最初にそういうやり取りというのは大きく影響するとおもいますね。おもしろく なるのに、「運」とか「偶然」はありますよね。山本さんがプログラマーにならなかった らおもしろくならなかったかも知れないです。
西井 パネルが4フレーム(約0.06秒)で入れ替わると言うのも大きな要素ですよね。
村松 それ以上遅かったら、操作性が悪くなるからね。見栄えを保ちつつ操作性も良くなくては だめだと。
西井 入れ替えのアニメーション中にも、別のパネルを入れ替えられるようにするのは プログラムするときに気をつけましたね。それは、山本君が実現したんですよね。
村松 それをゲームにして、遊べるようにしたのは彼ですからね。落ちていく最中にうまいこと 受けとめるのを発見したのも彼ですね。考えながら作ってるわけではないですから。
山本 発見はしてないですよ(笑)。意識せずに遊んでいたら、後ろで見ていた村松さんが 指摘して、それで、見つかったんですよ。
山上 みんな、初めから考えてそういったテクニックを使っているわけではなくて、遊んでいる うちに出来るようになってますよね。
   遊んでいるうちに、おじゃまパネルの絵柄がだんだん見えるようになってきて、あらかじめ 受けとめるテクニックとか、自分で発見できて「おもしろい」って思ったりしますね。
山上 あれを気づいて貰えるように、作っているんですよね。そして、受けとめて消した分を 「連鎖」として数えるようにしているからおもしろかったんですよ。
   同じレベルぐらいの友人と対戦していて、そういったテクニックを最初に発見した人が まず、相手を制したりして、「すごい」という事になったりしましたね。
山上 そういう細かな発想というのはいろんな所にあって、例えば「時間差連鎖」という テクニックがあって、高さの違う所に落ちたら連鎖になる、というテクニックですけど。 独立した連鎖として考えることもできるわけですよね。「2,2」「3,3」といった感じで。
   パソコンゲームだったらそうなったでしょうね。
山上 それを「2,3」「4,5」という連鎖にしたところが山本さんのセンスが光ってるところ じゃないですか。
村松 いや、実はそれをきちんと同時連鎖として数えたいな、とは言っていたのですけど、幾つでも ありえるし、対応できなかったんですよ。(笑)
山上 でも、その結果おもしろくなったわけですよね。(一同笑)
   意外な副産物だったんですね。
山上 その方が結果的には良くなったわけで、偶然おもしろい発見がある、というのはよくありましたよね。
西井 最初は、「バグだ」って大騒ぎしてましたね。
山上 「時間差連鎖」のテクニックにしても、おじゃまパネルの要素があったから活用できるわけで、 いろいろなことがあって、良いシステムになったと思います。最初から計算して作っている 部分は少なくて、いろいろやっていくうちに「これは残そう」というやり方を積み重ねて 出来たというか。


システムがこうして出来上がるまで苦労しましたよね。スタートが一瞬のひらめきだっただけに、 あとは何も考えてなかったから。

   ところで、音の要素もおもしろいですね。連鎖したときのファンファーレとか。
村松 パネルが消えるときに、ただ鳴らすだけではおもしろくないから「ドミソ」というか 音階をつけたらどうだろうとか、ありましたね。
   「おじゃまパネル」が降ってくるのを思いついたのはどういったきっかけだったんですか。
山上 普通、対戦だったら何をやってもおもしろいものなんですけど、初めの頃「パネルでポン」の 対戦は全然おもしろくなかったんです。ただパネルを入れ替えて3つ揃えて消すだけでしたから。
それから、いろいろな攻撃方法を考えました。下からせり上がってくるとか、パネルを 見えなくするとか、「上から何かを降らす」という考えはあえてさけて考えてきたんです。
   いろいろ没になった攻撃があったのですね。
山上 それから、その「おじゃま」を消す手段をあれこれと考えまして、これも最後の手段として 「パネルに戻す」という方法になったというわけです。でも、それを使って連鎖を起こすとか は、考えてなくて、副次的な結果でしたね。
村松 いろいろ試したけど、おもしろくなくて、没になりましたね。
山上 システムがこうして出来上がるまで苦労しましたよね。スタートが一瞬のひらめきだっただけに、 あとは何も考えてなかったから。
村松 基本的なシステムが完成してから、苦労しましたよね。
西井 「連爆」なんてアイデアもありましたよね。
村松 小さいおじゃまパネルを降らせて、くっついている「連爆パネル」が 連続して爆発するように普通のパネルに変わるというものでした。
西井 爆発が派手で、僕は好きだったんですけどね。最初は、上から降らすというアイデアは、よくある 手だから拒否し続けてましたよね。
山上 そうそう、とにかく「下から」という考えでしたから。
西井 でも、あきらめて、上から降らすことにして、最初のアイデアが「連爆」だったんですよね。

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